雲と追いかけっこを 1986 番外編 水の中の彼女 [読み物]
ぼくの小学校への通学路の途中に、そのプールはあった。
ある事業者のプールなのだけれど、市営プール並みの低料金で一般にも開放してくれていて、子供は少ないし、そもそも人自体が少ないという穴場だった。
知っているのは、ほぼ近所の人だけでぼくはたまたま近所に住んでいた。
■ 本編 雲と追いかけっこを 1986 最終話
http://versatile.blog.so-net.ne.jp/2012-08-27
■ 本編 noteでも読めます
https://note.com/yasssy/n/n326b11e71396
あの小さな旅の後、仲間どうしで逗子の海に泳ぎに行くことになり、彼女もとうぜん一緒に混じっていた。
そしてどういう話の流れか・・今度はプールに行こうよと言う事になり、ぼくの近所の穴場のプールに彼女とふたりだけで行くことになった。
お盆は過ぎたけれども、夏はまだまだ続いていて、午後のプールは気温、水温、湿度が水と戯れるのに完璧なコンディションだった。
そして人はいつもよりさらに少ない貸しきり状態。
以前にスイミングスクールで水泳を習っていて泳ぎには自信があったぼくだけれど、彼女も泳ぎの経験が相当あるみたいで、水に浮かぶとその実力が無駄のない動きに見て取れた。
この前の逗子の海ではこういうのに気がつかなかった。
ぼくも負けじと泳ぎ始めた。
泳げる二人にただの水遊びは似合わなくて、結果、追いかけっこになってしまう。
しかも彼女、けっこう速いみたいだ。
はじめのうちは水の上だけだったけれど、だんだんとエスカレートして舞台は水中へと移った。
彼女が水中を潜って逃げていく。
どうやら本気を出さないと追いつけない、見事なキックのストロークで水の底を進んで逃げていく彼女。
水中にふたりだけ。
夏の午後の光がゆらゆらと幻のようにゆらめいていた。
■ 雲と追いかけっこを 1986
https://yasssy.com/story-8601/
▼ コラムと読み物
https://yasssy.com/category/story
ショート・ストーリー 【ひとすじあざやかに輝きおちる】
https://yasssy.com/story-hitosuji01/
ある事業者のプールなのだけれど、市営プール並みの低料金で一般にも開放してくれていて、子供は少ないし、そもそも人自体が少ないという穴場だった。
知っているのは、ほぼ近所の人だけでぼくはたまたま近所に住んでいた。
■ 本編 雲と追いかけっこを 1986 最終話
http://versatile.blog.so-net.ne.jp/2012-08-27
■ 本編 noteでも読めます
https://note.com/yasssy/n/n326b11e71396
あの小さな旅の後、仲間どうしで逗子の海に泳ぎに行くことになり、彼女もとうぜん一緒に混じっていた。
そしてどういう話の流れか・・今度はプールに行こうよと言う事になり、ぼくの近所の穴場のプールに彼女とふたりだけで行くことになった。
お盆は過ぎたけれども、夏はまだまだ続いていて、午後のプールは気温、水温、湿度が水と戯れるのに完璧なコンディションだった。
そして人はいつもよりさらに少ない貸しきり状態。
以前にスイミングスクールで水泳を習っていて泳ぎには自信があったぼくだけれど、彼女も泳ぎの経験が相当あるみたいで、水に浮かぶとその実力が無駄のない動きに見て取れた。
この前の逗子の海ではこういうのに気がつかなかった。
ぼくも負けじと泳ぎ始めた。
泳げる二人にただの水遊びは似合わなくて、結果、追いかけっこになってしまう。
しかも彼女、けっこう速いみたいだ。
はじめのうちは水の上だけだったけれど、だんだんとエスカレートして舞台は水中へと移った。
彼女が水中を潜って逃げていく。
どうやら本気を出さないと追いつけない、見事なキックのストロークで水の底を進んで逃げていく彼女。
水中にふたりだけ。
夏の午後の光がゆらゆらと幻のようにゆらめいていた。
おしまい
■ 雲と追いかけっこを 1986
https://yasssy.com/story-8601/
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ショート・ストーリー 【ひとすじあざやかに輝きおちる】
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